はじめに
終活でいちばん大切な課題のひとつは健康です。
76歳の私の体年齢は、オムロンの体重計で測ると34歳。
医療にもクスリにもほとんどお世話にならず、心はいつも前向きです。
そんな私は<冷えとり>を10年以上続けてきました。
<冷えとり>についてはこれまで二回にわたってお話ししてきました。
第一回目では、胃がんの疑いから不安の底にいた日に、くつ下四枚重ね履きと出会ったことを
第二回目では、くつ下の同じ場所ばかりに穴があくという不思議な現象——毒だしの物語をお伝えしました。
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「冷えとりをやってみたくなりました」というメッセージをいただいたことから
考えていることがあります。
毒だしがなぜ起こるのか。
そのことをもう一歩深いところから見ていきたいと思います。
舞台になるのは、私たちの体の中に張りめぐらされた目には見えない細い血管です。
◆進藤義晴医師のことば
<冷えとり>の開発者進藤義晴医師は、上半身と下半身の温度差を「冷え」と捉え
その冷えによって血流が滞ると説明しています。
私は医師でも研究者でもありませんから、この一文を医学的な断定としてお伝えしているのではありません。
ここから先は、その<冷えとり>の考え方を手がかりに、私が自分の体の中の風景として冷えによる血流停滞をどのように理解しているかを書いてみます。
◆血管の九割は、毛細血管でできている
私たちが手の甲や腕で見ている血管は、全身の血管のほんの一部分にすぎません。
体中に張りめぐらされた血管の総延長は約10万キロメートル、地球を二周半するほどの長さになるといわれていますが、そのうちの九割以上を占めているのが、目には見えないほど細い毛細血管です。
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毛細血管の直径は、およそ8ミクロン。1ミリメートルの千分の一が1ミクロンですから、日常の感覚では想像するのも難しい細さです。
そして毛細血管の中を通る赤血球の直径は7~8ミクロン。
つまり、赤血球の直径は毛細血管の太さとほぼ同じなのです。
寒さなどによって末梢の血管が収縮すると、その先にある毛細血管を流れる血液も少なくなります。
<冷えとり>では、こうした血流の滞りを「冷え」と結びつけて考えます。
血流が行き届かなくなったときいったい何が起こるでしょうか。
赤血球が運ぶ酸素も栄養も、最後は毛細血管を通っていきます。
だから私は、その通路が血流不足でどのような状況になるのかを想像してみました。
◆酸素とゴミ出しの二重苦
毛細血管は、赤血球が形を変えながら通るほど細い血管です。
酸素や栄養を細胞へ届ける最後の道です。
そこに血液が十分に来なくなると、
動脈から届くはずの酸素や栄養分が届かなくなります。
静脈が運び去るはずの老廃物や疲労物質がその場に留まってしまいます。
① 酸素と栄養の補給が滞り
② ゴミの排出も滞る。
この二つが同時に起こることを、私は勝手に「二重苦」と呼んでいます。
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では、「二重苦」を味わっているのは
何でしょう?
誰でしょう?
その二重苦を実際に味わっているのは、血管そのものではありません。
数十兆個あるといわれる細胞の一つひとつなのです。
◆細胞さんたちの苦境
私はこの話を知ったとき、体の中の風景がまったく違って見えるようになりました。
酸素が来ない。栄養も来ない。
老廃物も引き取ってもらえない。
細胞さんたちは、逃げ場もなくそこにとどまったまま、ただじっと困っている。
そんな姿が、くっきりと見えてきたのです。
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進藤義晴医師は、著書の中でこうも記しています。
「(細胞に血液が届かなくなると)細胞の機能が鈍ったり狂いだします。すると、内臓機能の働きも悪くなり、免疫力の低下、潰瘍の形成、腫瘍細胞の発生などにつながります」
(『これが本当の「冷えとり」の手引書』進藤義晴・進藤幸恵、33頁、PHP研究所)
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この一文を医学的な断定としてではなく、体の中で起きているかもしれない出来事として読んでみましょう。
この情報は、想像力を働かせるための大切な手がかりとなるのです。
毛細血管の先で細胞が陥っている困難。
それを知ってから
私は「細胞さんたち」という呼び方でしか彼らのことを考えられなくなりました。
困っている誰かがいれば、人は自然と気にかけます。
細胞さんたちの苦境を知ってしまった以上、
冷えは私にとってもう他人事ではなくなったのです。
◆体とつながるという体験
胃がん疑いから不安の底にいたあの日の私は、自分の体のことを何も知りませんでした。
検査の数値と医師の言葉だけを頼りに、「管理する対象」として体を遠くから眺めていたように思います。
けれど、くつ下四枚を履くようになり、足のあちこちに毒だしと思われる現象を見つけるうちに、少しずつ体との距離が縮まっていきました。
そして、毛細血管と細胞さんたちのこの物語を知ったとき
私ははじめて「体とつながる」という感覚を実感したのです。
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くつ下を履いたときの、あのほっこりとした感じ。
私には、「血液がやっと来た」と細胞さんたちが喜んでいるように感じられます。
体の中で起きていることを、私は実際には見ることはできません。
それでも、このイメージを持つようになってから、体はもう管理する対象ではなくなっていました。
こうした感覚は、頭で理解した知識ではなく、足から伝わる実感として私の中に生まれたのです。
おわりに
<冷えとり>とは、体を信頼して体がやることを見守る営みです。
効果を測ろうとするより先に、まず冷えを取ってあげる。
あとは、体が勝手にやってくれるのをただただ待つ。
そう心から思えるようになったのは、毛細血管と細胞さんたちの物語を知ってからでした。
<冷えとり>では毛細血管や細胞をどう捉えているのか。そこをもっと知りたい、体とつながる感覚をご自身でも試してみたいという方がいらっしゃれば【冷えとり入門・実践講座】で詳しくお話ししています。
講座の内容は以下のリンクをクリックしてご覧ください。
https://www.reservestock.jp/page/consecutive_events/44553
【冷えとり入門・実践講座】 受講者の声
Y さん: 毛細血管の直径と赤血球の直径の話をはじめて知りました。衝撃でしたし、とても腑に落ちました。
Mさん: 毛細血管と細胞との話を聞いたとき、これまで知らずに当たり前に生きてきて体を酷使させてたなと思うと、体に対してごめんねという思いが溢れました。
Rさん: からだを全然信用していない自分に気づき、反省してしまいました。
次回は、ひざ痛、花粉症、虫歯——それぞれ違った悩みを抱えていらっしゃる方々に向けて、これまでとは少し違ったアプローチをご提案してみたいと思います。ご自分の体の中の細胞さんたちと、少しずつ仲良くなっていただけたらうれしいです。


